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AI × 研究

AI(人工知能)研究は、世界各国で盛んに研究が進められている分野です。
日本にも著名な研究者や研究施設・企業などはありますが、世界的に見て研究量や論文発表の少なさ等から遅れをとっていると言われており、AI後進国と呼ばれることも少なくありません。

AI研究の課題は、AI人材の不足や実データの少なさ等いくつか考えらえるものはありますが、産学連携の推進が必要とされていると考えられています。
またAI技術には、基礎的なものから応用的なものまで様々な研究開発があります。
そこで今回DAでは、代表的な研究技術、産学両サイドの研究者、研究機関、産学連携事例、世界をリードする海外の研究者研究機関等を紹介します。

この記事を通して、AI研究への理解と産学連携の進展の一助となれれば幸いです。

AI研究とは

AI research

AI(人工知能)研究には、2つの立場があると言われています。

1. 人間の知能そのものをもつ機械を作ろうとする立場
2. 人間が知能を使ってすることを機械にさせようとする立場

実際の研究では、ほとんどが 2.の「人間が知能を使ってすることを機械にさせようとする立場」であり、人工知能の研究といっても人間のような機械を作っているわけではないと人工知能研究学会では記しています。

参考: What's AI 人工知能って何? https://www.ai-gakkai.or.jp/whatsai/AIwhats.html

AI研究分野

大学や企業のAI研究室・研究所では、実際にはどのような研究が行われているのでしょうか。
AIは、「本当に知能のある機械」である強いAIと、「知能があるようにも見える機械」つまり人間の知的な活動の一部と同じようなことをする弱いAIとがあり、AI研究のほとんどはこの弱いAIになります。しかしAI基礎研究は、強いAIに近い研究を行っていると言われています。
研究が進められる代表的なAI研究分野をご紹介します。

参考: What's AI 人工知能研究 https://www.ai-gakkai.or.jp/whatsai/AIresearch.html

アルゴリズム
問題解決のための計算手法であり、計算等により問題解決に導く研究
音声認識
音声データを利用可能なデータ形式に変換する技術であり、コンピュータに音声を理解させる研究
画像認識
画像を機械やコンピュータに認識させる研究
機械学習 | Machine Learning
収集データを用いてコンピュータが自ら学習し一貫性のある規則を見つけ出そうとする技術研究
自然言語処理
テキストデータなどに書かれている言葉をコンピュータに書かれている内容等を理解させる研究
情報検索
大量なデータ群から目的に合ったデータを取り出す技術研究
推論
多数のルールを用いて矛盾のない答えを導き出す手法研究
データマイニング
整理のされていない大量データから必要情報を見つけ出す手法研究
ロボット
機械工学と人工知能研究を結び付けた研究

AI研究と社会実装

強いAIに近い研究を進めるAI基礎研究はAI技術の応用基盤となっており、応用分野の技術は既に私たちのまわりで実際に活用されています。
AI研究が社会実装にむすびつき、現在 利用・活用されているAI技術の一部をご紹介いたします。
自動運転
自動車をどう動かすかをAIが予測・判断をして自動で運転を行います。現在は自動運転レベル3と言われています。
AI家電
家電メーカーでは、AIを搭載したお掃除ロボットやエアコンなどのAI家電が生産販売されています。
チャットボット
チャットボットにAIを搭載したAIボットは、自動でユーザーとのコミュニケーションを可能にしています。
スマートスピーカー
自然言語処理などのAI技術により音声を用いて自動でユーザーとのコミュニケーションを可能にしています。
自動翻訳
深層学習などAI技術を用いて自動で翻訳を行うことを可能にしています。
自動画像検索
画像認識などAI技術を用いて自動で画像の検出等検索を可能にしています。
医療画像診断支援
画像解析などAI技術を用いて医療現場での画像診断支援を行っています。
創薬研究
ビックデータを活用した創薬研究には、AI技術が活用されています。
自動監視システム
AI技術を用いた監視システムは、機器の故障を監視する等多くの産業で取り入れられています。
予測システム
AI技術を用いた予測システムは、天気予報の予測、CM効果の予測、河川の氾濫予測等多方面での予測を可能にしています。
自動生成システム
AI技術を用いてキャッチコピー・商品説明などのテキスト、イラストやロゴなどのデザイン要素を自動的に生成します。
レコメンド
AI技術を用いて「ユーザーの行動」・「世の中の流れ」・「コンテンツの特徴」の関係から、ユーザーへ最適な商品・職業・治療方法などをレコメンドします。
自動最適化
AI技術を用いて、店舗の商品陳列、教育カリキュラム、人事要員計画など最大の効果が得られるよう最適化を行います。

AI研究者(研究室)

AI Researchers | AI Research Labs

世界中の学術論文を扱う検索サービスである中国の清華大学が開発した「AMiner」は、世界で影響力をもつAI(人工知能)研究者リスト「AI2000」を公表しました。
AI2000にリストインした世界的な研究者の中より、日本を代表するAI研究者及びDAの注目した海外のAI研究者・研究施設をご紹介いたします。

参考: Aminer AI 2000 Most Influential Scholars https://www.aminer.cn/ai2000


日本のAI研究者(研究室・研究所)

松尾豊氏

情報検索・推論 東京大学大学院工学研究科

榊剛史氏

情報検索・推論 Hottolink.Inc/東京大学

岡崎誠氏

情報検索・推論 東京大学

Jonathan LE ROUX

音声認識 三菱電機研究所

中谷智広氏

音声認識 NTTコミュニケーション科学基礎研究所

亀岡弘和氏

音声認識 東京大学

小野順貴氏

音声認識 東京都立大学

山岸順一氏

音声認識 国立情報学研究所

井上浩明氏

コンピューターシステム NECデータサイエンス研究所

河原林健一氏

理論 国立情報学研究所

海外のAI研究者(研究室・研究所)

Ilya Sutskever

機械学習 アメリカ/OpenAI

Yoshua Bengio

機械学習 カナダ/モントリオール大学の部門情報学研究所

Yann LeCun

機械学習 アメリカ/Facebook AI Research

Christopher D. Manning

自然言語処理 アメリカ/スタンフォード大学コンピューターサイエンス学部

Andrew Y. Ng

自然言語処理 アメリカ/スタンフォード大学コンピューターサイエンス学部

Geoffrey E. Hinton

音声認識 カナダ/トロント大学コンピュータサイエンス学科

Alex Graves

音声認識 カナダ/トロント大学

Haewoon Kwak

情報検索・推論 カタール/ハマドビンハリファ大学、カタールコンピューティング研究所

Sue Bok Moon

情報検索・推論 韓国/韓国科学技術院コンピュータサイエンス学科

Jure Leskovec

データマイニング アメリカ/スタンフォード大学コンピューターサイエンス学部

Carlos Guestrin

データマイニング アメリカ/ワシントン大学コンピュータサイエンス&エンジニアリング

Michael J. Franklin

データベース アメリカ/カリフォルニア大学バークレー校

Kaiming He

コンピュータビジョン アメリカ/Facebook AIリサーチ

Wolfram Burgard

ロボット工学 ドイツ/フライブルク大学

Christian Bizer

知識工学 ドイツ/マンハイム大学

AI研究を進める企業

学術論文検索サービス AMiner で公表された「AI2000」では、多くの企業・団体の研究者達がランクインしています。
企業・団体別に属する研究者に目を向けると、 上位3位までを日本でもお馴染みのアメリカの企業が占めており次いでアメリカの研究施設が続いていました。

参考: Institute distribution of AI 2000 most influential scholars https://www.aminer.cn/ai2000

日本のAI研究の課題と展望(産学連携)

AI Research in Japan

日本国内においてここ30年間で最も成長した業種はIT産業であり、中でも先端を担うのがAI(人工知能)を扱う業種であると言われています。
しかし世界のAI研究開発においては、AI人材や実データの不足等から日本は遅れをとっていると考えられています。

AI研究はただの研究で終わらせるのではなく、研究の目的を明確にし社会実装に結びつけることが必要です。そのためには研究時点で実装を見越した研究に耐えうる実データ等をサンプルとして多量に必要とすることから、企業と大学等の研究施設が連携し共同で研究開発を進めることが重要です。
つまり、社会に必要とされるAIを研究するためには、社会の需要を知り実データを保有する「企業」と、優秀でAI研究に長けた人材を有する大学等「研究機関」の産学連携は欠かすことができないものだと考えられます。

また米国では、スモールビジネスの成長促進を目的としたBayh-Dole 法の制定により1980年代から1990年代に大学の研究開発における連邦費用の削減、産業界における企業内研究開発費の削減が起こりました。こうした影響は、米国の研究開発における産学連携の緊密化を図ったと言われています。
米国内で産学連携の緊密化が図られたことにより、今日のAI研究の成果に繋がったのではないかと推測されます。

近年日本でも、産学連携を推進する動きは起きており、大学や企業の資料に目を通すと産学連携の取組を紹介する記事を目にします。
産学連携を積極的に進める大学・研究施設を調べましたので共有いたします。

産学官連携による共同研究強化

Industry-Academia Collaboration

経済産業省では、技術革新の促進・環境整備の側面から産学官連携の推進が行われています。
「日本再興戦略2016」(平成28年6月2日閣議決定)にて、「2025年度までに大学・国立研究開発法人に対する企業の投資額をOECD諸国平均の水準を超える現在の3倍とする」との政府目標が設定されました。
また文部科学省と経済産業省は、産学連携を深化させるための大学側の体制強化や企業におけるイノベーション推進のための意識・行動改革の促進など、イノベーション創出のための具体的な行動を産学官が対話をしながら実行・実現していく場として、平成28年7月に「イノベーション促進産学官対話会議」を創設しました。
「産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン」が発足時取りまとめられ、産学官の共同研究によるイノベーションの創出の一層推進を行っており、 2020年6月には産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン【追補版】を取りまとめ更なる強化を行っています。

参考: 産学官連携による共同研究強化のためのガイドラインについて https://www.mext.go.jp/a_menu/kagaku/taiwa/1380912.htm

参考: 産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン【追補版】―産学官連携を通じた価値創造に向けて―(2020年6月文部科学省・経済産業省) https://www.meti.go.jp/policy/innovation_corp/guideline.html