AIによるeコマースツールを選択する際に問うべき5つの質問

eコマース産業におけるAIについて聞かれると、ほとんどの人々はAmazonを主な例として挙げるでしょう。

同社はAI技術の最前線におり、レコメンドシステムや、サプライヤーに需要のある商品を知らせるフルフィルメントアルゴリズムに加え、市場におけるもっとも高度なチャットボットを提供しています(アレクサ、アイスクリームを頼んでくれる?)。

しかし、人工知能はシリコンバレーだけの別世界のコンセプトというわけではありません。それは巨額の予算を割ける大企業に限定された技術ではありません。eコマース分野における人工知能の基礎知識を理解するために読書を行い、そうしたツールを活用できるようにしましょう。

あなたの競争相手はすでに人工知能を使っている

昨年、アメリカのAI技術における最大手の開発および投資会社であるSalesforceは、3500人以上のマーケターを調査し、彼らに来年の予算、期待、投資について質問をした、年間の「マーケティング状況(State of Marketing)」レポートをリリースしました。対象は様々な産業や規模の会社から選ばれましたが、一つだけ共通している点がありました。それは、マーケティング部門において、AIが最大の技術投資対象だったということです。

半数以上(51%)のマーケティングチームがすでにAIを活用しており、高いパフォーマンスを発揮しているチームの72%が、AIを製品のレコメンドや予測リードスコアリングに活用していました。

彼らの部署におけるAIのメリットについて尋ねられた際に、ほとんどのマーケターと販売チームは、次の二つのカテゴリーに分類可能な回答をしました。効率性の向上とパーソナライゼーションの高度化です。AIは優れた分析とビジネスインサイトによって効率性を向上させ、それと同時に、動的なランディングページ、ターゲットメッセージ、予測によるカスタマージャーニー、顧客セグメンテーションによって、よりパーソナライズされた体験を作り上げます。

人工知能だけでは、あなたのeコマースビジネスを拡大することはできません。しかし、eコマース関連のツールとデジタルマーケティングは、あなたのプロモーションと販売活動を改善し、収益を向上させてくれます。

大きな財政的リスクをとらずにAIに投資をすることは可能

半数以上のeコマースブランドが積極的にAIに投資を行っている理由の一つは、そうしたツールを実装する際にコストと時間があまりかからないからです。国中のAIの専門家がAIツールを開発し、アプリやSaaSのオプションとしてそれを販売しています。Googleアナリティクスを使って自身のウェブサイトをトラッキングしたり、様々なWordPressのプラグインを使ってeコマースビジネスを運営しているのであれば、あなたはAIに投資を行うために必要な技術を扱うことが可能です。

AIによるeコマースツールを選択する際に問うべき5つの質問

もし、「次世代の素晴らしい技術だから」という理由や、それを試すように上からプレッシャーがかかっているからという理由で人工知能への投資を考えているのであれば、あなたの望むツールを発見したり、貴重なAIのアプリケーションを発見することは困難でしょう。そうではなく、あなたのビジネスの問題をまず検討し、それから、それを改善できるようなAI活用の選択肢があるかを確認してください。

新しいツールやサービスを購入する前に、さらに言えば調査のプロセスを開始する前に、まずは5つの質問を自分に問いかけてください。

1.取り替えたりアップグレードしたいと考えている時代遅れの技術はあるか?

あなたのeコマースビジネスが時間をかけて成長してきたのであれば、古い技術を取り除き、より高度なものへとアップグレードする必要があるかもしれません。

メールマーケティングはこの好例です。あなたが大量の顧客にメールを送信し、それを手動で現在のプロバイダーを通じてセグメント化しているのであれば、AIによるセグメンテーションツールにアップグレードするべきかもしれません。そうしたプログラムはユーザーの行動を根拠に自動的にメールを送信したり、彼らの購入履歴をもとに買い物客を様々なセグメントに分類してくれます。

この場合、主なコストは新しいマーケティングツールの費用と、あなたのメールマーケターに新しいソフトウェアを理解させるために割く研修時間になります。

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2.eコマースウェブサイトに加えたいツールはあるか?

現在のeコマースのインフラはあなたのニーズを満たしているものの、新しいツールを求めて市場を探しているのであれば、AIという選択肢を検討してみてください。

WordPressやShopifyのアプリストアには製品レコメンデーションツールが数多くあります。顧客にアップセルやクロスセルを行うためのアプリの市場を探しているのであれば、AI機能を備えたツールを検討してみましょう。そうすることで、すでにその年の予算を確保していたサービスに対して投資を行う一方で、AIがあなたのブランドでどのように機能するかをよく知ることができます。
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3.仕事を効果的に行うために本当にAIツールが必要か?

SaaSシステムや新しいアプリを購入する前に、必要な仕事をこなすために本当に自分がAI機能を必要としているかを問いかけてください。一日に片手で数えるくらいのカスタマーサービスの電話を受信する程度であれば、売上やリードを生み出すために値段の張るAIチャットボットは必要ないかもしれません。

注意:AIを採用したいという動機からのAIの採用は決して効果的ではありません。そうしたツールがなぜ必要なのかを理解し、自分のeコマースビジネスを成長させることへの明確は目標を持たなければなりません。

4.市場により手ごろなAIツールはないか?

派手なソフトウェアプラットフォームを気に入ったり、会議中に特定の会社が素晴らしいと感じてしまうことは誰でもあります。しかし、冷静になり、いくつかの商品を見て回ることが重要です。AIを他のマーケティングツールや投資と同じように考え、代わりの選択肢や、同じ業務をより安価に行ってくれる企業がないかを調査しましょう。もっとも魅力的なAIツールが、あなたのeコマースビジネスにとってベストな選択肢とは限りません。

5.AIへの投資の成功をどう評価するか?

AI投資に対して目標となるROIを設定し、改善を期待する時期についての明確なベンチマークを決めておくことは、自分が賢明なAI投資を行ったかを理解するためには非常に重要です。

前述のメールマーケティングの例を考えてみましょう。AIによるパーソナライゼーションに投資を行った会社は、その取り組みによって、より有望なメールアドレスからのトラフィックが向上し、AIが無ければ失っていたであろう顧客が戻ってくるといった効果に加えて、売り上げの向上を期待するでしょう。そうした評価基準によって、その会社が以前に採用していたものと比べて、AIツールがより効果的なものであるかを判断します。

人工知能が人気を集めていてエキサイティングだからといって、あらゆるアプリやソフトウェアプラットフォームがあなたのeコマースの取り組みに革命を起こしてくれるわけではありません。

AIを使っていないeコマースツールは多く販売されており、あなたの場合はそれが適切な選択肢かもしれません。しかし、自分のeコマースビジネスにAIを投資することを選んだのであれば、オープンマインドで臨み、AIツールを会社に実装するためには次世代のビル・ゲイツになる必要はないのだと理解してください。

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この記事は、Econsultancy に掲載された「Five questions to ask when selecting AI ecommerce tools」を翻訳したものです。