いかにして完璧なAIチームを組織するか:重要なのはデータサイエンティストだけではない

AI関連の優秀な人材が不足しているという報告が多くなされています。世界には30万人のAI専門家がいるものの、求人は数百万件あると推定する人もいます。別の報告書には、AIを必要とする仕事の数は、2013年以来450%も増加していると書かれています。

実際の数字がどうであれ、AIに投資を行っている企業は、優秀な人材確保に向けた競争があると感じています。

ビジネスリーダーたちのほとんどは、AIを未来における重要な技術であると考えています。Adobeの調査では72%がAIを「ビジネス上のアドバンテージ」だと答えました。同じ調査では、デジタル面で成熟した企業、もしくは高度なデジタル慣習を持つ企業のうちの47%が、自分たちは明確なAI戦略を持っていると回答しました。

企業が職場で活用するAIを増やしたいと考える大きな理由は、財政面でのメリットです。フォレスターは、2020年までに、インサイト主導の企業は、情報で劣っている競合他社の利益を、年間で1.2兆も奪うことになると報じました。AIは、それに関心を持つ企業に、競争力および財政面でのメリットを提供してくれます。

また、多くの企業は、Googleの新しい「AIファースト」のアプローチについて言及しました。モバイルファーストから移行して、Googleは現在、AIを一連の製品にとっての革新的なソリューションであるとみなしています。

動機はどうであれ、メリットが財政面であれ競争力であれ、世界的な企業がAIチームを組織しようと試みて、スキルのギャップが原因で壁に突き当たっています。

しかし、多くの人々が気がついていないのは、完璧なAIチームを組織する際に重要なのはデータサイエンティストだけではないということです。この記事では、AIチームを組織する際に、なぜ常識に囚われてはいけないのかを論じていきます。

AIチームに必要な要素の検討

技術面
天才的なデータサイエンティストを見つけられたら素晴らしいことでしょう。しかし、あらゆる作業をこなせる一人のデータサイエンティストを発見しようとしても、それは現実的ではありません。そうした人材の雇用にはかなりの費用がかかることは言うまでもありません。

「AIアーキテクト」を見つけることのできる企業は幸運ですが、その役職を埋めることは非常に困難です。そうした一人の人材を探すのではなく、多くの企業はデータエンジニア、データサイエンティスト、ソフトウェアエンジニアのスキルを結集させて、強力なAIチームを作り上げています。

まず企業はデータを整理するためにデータエンジニアが必要です。それから、アルゴリズムを検証して適用する総合的なデータサイエンティスト、最後にアプリケーションを実装するソフトウェアエンジニアが必要です。企業のニーズに応じて、各役職が複数必要になるかもしれません。

数年前には、AIチームを作ろうとする組織は、まずチームをまとめ上げる博士号所持者を探していたという事実は興味深いものです。データサイエンスの博士号を持つスキルの高い人材は、現在でも需要はありますが、トレンドのシフトが起こりました。CIOたちは現在、学習アルゴリズムをビジネス上の価値に変換できる人材を求めています。

こうした事情を踏まえて、CIOたちは、適切なデータ収集、正しいモデル構築、そしてそれらを活用して正しいビジネス上の判断決定を行うことができる、混合チームを組織しようとしています。

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技術以外の面
成功しているAIチームにはデータサイエンティストやソフトウェアエンジニアがいるだけでなく、そうした役職の人々がチームを牽引しています。チームを完全なものにすべく、プロジェクトマネージャー、マーケター、UX/UI担当スタッフを加えるAIチームも増えています。ここで重要なのは、データサイエンティストとエンジニアたちは技術的なスキルセットを持っており、その他のスタッフはプロジェクトのことを完全に理解しているということです。

例えば、マーケターは消費者の需要を理解しています。彼らはバイヤーペルソナ、市場の状況、競合他社の価値について包括的な知識を持っています。この情報はAI製品やサービスを作り上げる手助けをし、その製品を市場において魅力的なものにしてくれます。

AIを活用してパーソナライゼーションを行っている企業は、AIチームと共同で働くマーケターを抱えています。様々な分野において消費者はパーソナライゼーションを求めるようになっており、マーケターはこの需要についてよく理解しています。他の職種からの情報を得ることなく、サイロで作業するAIチームは、的外れな作業をしてしまうかもしれません。

世界的に見て、企業はより多くのリソースをAIに割くようになっています。フォレスターは、AIへの投資は来年で300%以上増加すると述べています。AIが提供するインサイトとデータ主導の判断決定機能は、驚くほど価値のあるものになっています。

それを考えると、AIチームは混合的なアプローチによって構成される可能性が高いものの、AI関連の優秀な人材確保に向けた争いは今後も続くでしょう。

この記事は、Econsultancy に掲載された「How to assemble the perfect AI team: it’s not just about data scientists」を翻訳したものです。